残念ながらにきびは10代に限ったことではない。高校を卒業してから何十年も経ったとしても、朝起きたら鼻の頭に赤い大きなにきびができていたり、頬に小さなにきびが点在していることはあるのだ。
実際、毛穴の黒ずみ、角栓、にきび、嚢胞性ざ瘡は閉経期まで続く。だが、適切なにきび対策の製品を集中的に使い、一定のスキンケアルーティンを続けることで、よりクリアな肌を実現することは可能だ。
「私のところには毎日、にきびに悩む30代、40代、50代の方がやってきます」と言うのは、マウントサイナイ医科大学皮膚科准教授で『Skin Rules: Trade Secrets From a Top New York Dermatologist』の著者であるデブラ・ジャリマン医師だ。
「私は彼女たちに、必ず抑えることはできるけれど、エクササイズと同じで、日々決まったルーティンを続けることが大事だと言っています」
肌を徹底的にきれいにし、にきびを撃退できるというさまざまな製品が数限りなく出ている中、シンプルで効果のある対処法に絞り込むのは難しい。そこで、3人のトップ皮膚科医に解説してもらった。
にきびができる原因とは?
皮膚には無数の小さな皮脂腺がある。それらは全身の毛包につながっていて、皮膚を保護するための皮脂を生成している。だが、いくつかの要因から、毛包から適切にその皮脂が逃げるのを阻害してしまう。
また、ホルモンは皮脂腺を過剰に働かせ、余分な皮脂が角質によってブロックされて毛穴を詰まらせ、にきびの原因になることも。レノックス・ヒル病院の皮膚科担当医でSobel Skinの創業者、ハワード・ソベル医師によると
、10代の場合、思春期の始まりにはたいていホルモンラッシュが始まるが、ホルモンによるにきびは大人にもよくあるという。
さらに、妊娠や月経周期、ピルを変えることで皮脂生成がスピードアップし、にきびができる。加えて、ストレスがたまると、体はコルチゾールを生成し、それが皮脂腺を刺激して吹き出物につながることも。
毛穴は炎症や、製品や生地(ハットやマスクなど)に対する反応によっても詰まるとソベル医師は説明する。中には、毛包の中に酵母菌がはびこることでにきびのような吹き出物ができることもある。
特に胸の上部や背中上部などがそうだ。コルチコステロイドなど特定の薬がにきびの原因になる場合もあるし、ジャリマン医師によると乳製品の食べすぎも原因になることもあるという。さらに、いったん毛穴が詰まってしまうと、次のようなさまざまなタイプのにきびを引き起こす。
ホワイトヘッド(角栓)
肌色、もしくは白の小さなにきびが特徴。このタイプのにきびは、余分な皮脂と角質が毛穴の上のほうに詰まった時に出る。
ブラックヘッド(黒ずみ)
ホワイトヘッドに似ているが、毛穴をつまらせているものが押し出され、空気に触れることで酸素と反応し、黒くなる。
にきび(ピンプル)
毛穴の中に細菌が皮脂や角質と一緒に閉じ込められて炎症を起こし、赤いにきびとなって出てくる。
嚢胞性ざ瘡
硬く痛みを伴う吹き出物で、炎症を起こすと赤く隆起したり膿がたまったりする。 皮脂と角質、細菌が皮膚の奥深くに侵入して起こるという。
にきびを防ぐスキンケアルーティン
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まずすべきなのは、いま肌(メイクも含め)と髪に使っている製品をすべてチェックすることだとジャリマン医師は言う。
「にきびケアのルーティンで犯している大きな間違いとしてよく見られるのは、多くの製品を使いすぎ、またラベルに書いてある原料をチェックしていないことです」
使っている製品に、オイリーでなく、にきびの原因になる成分が含まれていないことを示す“ノンコメドジェニック”や“ノンアクネジェニック”“オイルフリー”という言葉が書いてあるかどうか確認しよう。
それから、皮膚科医が推奨する次の6つのスキンケアルーティンを毎日続けて。
ステップ1:優しく洗顔する
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まるでお気に入りのシューズについた泥を落とすように、顔を洗いたくなるかもしれない。だが、実はそれが症状を悪化させるとNYにあるSpring Street Dermatologyのエリジー・M・ラブ医師は言う。
「にきびは肌の余分な皮脂や汚れが原因だと信じている患者さんが多く、肌を過剰に洗ったり角質ケアしたりしようとします。クレンジングをルーティンにすることは重要ですが、にきびは炎症ですから、クレンジングしすぎると肌を刺激し、さらにその状態を進行させてしまうのです」とソベル医師。
「肌をむき出しにしすぎないことが重要です。肌を保護するバリア機能を損ない、さらなる吹き出物や炎症、赤み、ムラのある肌の質感やトーンにつながりますから」
今回、話を聞いた皮膚科医は3人とも、朝はマイルドなフォーミングクレンザーで洗顔することをすすめる。これに加えて、ほかの選択肢もある。
にきびのスポットケアをしたい人や医師ににきび用の薬を処方された場合は、朝はNeutrogenaの「Ultra Daily Face Wash for Sensitive Skin」などマイルドで薬用ではないクレンザーを使うこと。
もし、2つのステップを一緒にやりたい人は、にきびに対処する成分を含むフォーミングクレンザーを使うこともできる。角栓や毛穴の黒ずみが気になる人はサリチル酸を配合したクレンザーを使えば、ダメージを受けた皮膚の最上層をはぎ取り、毛穴に詰まる前に角質をキレイに落とすことができるという。
赤く炎症を起こしたにきびの場合は、表面の細菌をターゲットにした過酸化ベンゾイル配合のクレンザーを見つけよう(CeraVe Acne Foaming Cleanser には過酸化ベンゾイル、ナイアシンアミド、セラマイドが含まれており、ジャリマン医師は混合肌の人に勧める。もしくは過酸化ベンゾイルを10%配合したPanOxyl Foaming Washを試して)。
肌を洗浄する方法は、使用する製品と同じくらい重要だということにも注意。だから、ザラザラした素材のウォッシュクロスやスポンジ、刺激を与える素材のものは使わないこと。
ジャリマン医師はコットンパッドかベビー用ウォッシュクロスにクレンザーをつけて使うことを推奨するが、毎日清潔なウォッシュクロスを使って、古い汚れを肌にまた擦りつけてしまわないことが非常に重要だという。
手だけで、水を十分に使ってクレンザーを洗い流すこともできるとラブ医師は言う。だが、熱いお湯は肌を刺激するので、ぬるま湯だけを使うよう注意しよう。また、後で冷たい水で濡らすと、肌のバランスを整え、引き締め、リフレッシュすることができるとソベル医師は加える。
ステップ2:にきびに対処する薬を塗布する
ステップ1でシンプルなクレンザーを選んだ人は、よりパワフルな製品でスポットケアをするチャンスだ。顔を洗ったら、柔らかいタオルで、擦るのではなく、優しく叩くようにして(パッティング)乾かす。それからCeraVeの「Salicylic Acid Acne Treatment Gel」や La Roche Posayの「Dual Action Acne Treatment」など市販の製品を使おう。
市販のトリートメントの効果が出るまで最低でも6週間はかかるとのこと。その時点で何の効果も出ていなかったら、より強力な薬を処方することができる皮膚科医に相談しよう。
ラブ医師は「皮膚科医の診察を受けるのに3カ月も待たなければならないような地域に住んでいる人は、市販のトリートメントを使い始めた時に、バックアップとして予約を取っておくといいですね。必要なければいつでもキャンセルできます!」と賢いアドバイスをしてくれた。
ステップ3:オイルフリーのモイスチャライザーを使う
オイリー肌で毛穴の詰まりを心配している人は、モイスチャライザーなど必要ないと思うかもしれないが、実は逆だ。
「モイスチャライザーは肌の皮脂生成のバランスを保ちます。また、肌を乾燥させるにきび薬に肌が耐えるのを助けます。オイルフリーでノンコメドジェニックのモイスチャライザーを使うことが鍵です」とラブ医師は説明する。
ラブ医師のお気に入りの一つはLa Rocheの「Posay Double Repair Face Moisturizer」だ。また、ジャリマン医師は、アロエをベースにした、コラーゲンを保護するヒアルロン酸配合でノンコメドジェニックのモイスチャライザーを勧める。
その条件を満たすものの一つが、French Ritualの「Aloe Vera Moisturizer」だ。他にノンコメドジェニックなものには、Cetaphilの「Gentle Clear」 やAveenoの「Clear Complexion」があり、どちらもサリチル酸が少し含まれている。
Good Housekeeping Institute Beauty Labでは他にもテスト済みの製品を推奨しているので、にきびができやすい肌用のモイスチャライザーをチェックしてみて。
ステップ4:日焼け止めを忘れない
日焼け止めは肌をUVダメージから守るのに不可欠なステップだが、にきびができやすい肌の人は毛穴を詰まらせない日焼け止めを選ばないと症状を悪化させてしまうとジャリマン医師は言う。
彼女のお気に入りはEltaMDの「UV Clear Broad Spectrum SPF」で、抗炎症作用のあるナイアシンアミドを配合しているので赤みを軽減する。他にGood Housekeeping Institute Beauty Labの専門家が推奨する日焼け止めがLa Roche Posayの「Anthelios SPF 60 Dry Touch Clear Skin Sunscreen」で軽い感触だ。
ステップ5:夜、もう一度クレンジング
夜クレンジングする時は、その日肌にたまったメイクや皮脂、ゴミを優しく取り除くものが必要だという。ソベル医師はジェルベースで界面活性剤の入っていないクレンザーを勧める。
例えばVichyの「Normaderm Phytoaction Daily Deep Cleansing Gel」はサリチル酸配合で、Good Housekeepingのスタッフもお気に入り。フォローアップにトーナーを使いたい人はオイルフリーであることを確認するよう、ジャリマン医師は言う。
またその一方で、ラブ医師は、まずAveneやGarbier、Biodermaなどから出ているミセラーウォーターを使ってダブル洗顔してから、クレンザーで洗うことを勧めている。
Differin
アクネトリートメント
iHerbBioderma
クレンジングウォーター
AmazonGarnier
クレンジングウォーター
iHerbAveeno
iHerbSOBEL SKIN Rx
ナイトトリートメント
Sephoraステップ6:寝る前にレチノール製品を塗布
クリアな肌を実現するために、寝る前に重要なステップがもう一つある。レチノール製品で肌をなめらかにすることだ。レチノールとはビタミンA誘導体で、シワを軽減し、にきびコントロールの鍵である毛穴をつまらせない。
「レチノールは大人にとって優れたマルチタスクのトリートメントです。細胞のターンオーバーのスピードアップや再生に役立ち、皮膚の最上層の細胞であるケラチノサイト(角化細胞)を取り除きます。また、毛穴を詰まらせないようにし、小ジワやシワを最小限に抑えて防ぎながら、肌の若々しさを維持します」とソベル医師。
おすすめはDifferinの「Adapalene Gel」、La Roche Posayの「Effaclar Adapalene Gel」、Sobel Skin Rxの「4.5% Retinol Complex Night Treatment」の3つ。ソベル医師は、どんなレチノール製品を使うにせよ、徐々に始めることを勧める。
「耐性を高め炎症を避けるため、1週間に1〜2度から試していきましょう。徐々に週4回に増やしていき、必要であれば毎日使うようにしていってください」
結論
「根気強く、ルーティンをしっかり守って、諦めないこと。将来にきびができるのを防ぎながら、いまある吹き出物をクリアにし、消していくのには時間がかかります。ひと晩では変わりませんが、継続することで必ず変わります」とソベル医師。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko KannoFrom Good Housekeeping
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Marisa Cohen is an editor in the Hearst Lifestyle Group’s Health Newsroom, who has covered health, nutrition, parenting and culture for dozens of magazines and websites over the past two decades.
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